物質
- いわゆる「もの」のことで、 生命や精神(心)と対比される概念 [3] 。「生命の世界、物質の世界」などと使う。
- (哲学)感覚によってその存在が認められるもの [3] 。人間の意識に映じはするが、意識からは独立して存在すると考えられるもの [3] 。
- (物理学)物体をかたちづくり、任意に変化させることのできない性質をもつ存在。空間の一部を占め、有限の質量をもつもの。 [3]
- (オンラインカジノ イベント) オンラインカジノ イベント品の分類および表示に関する世界調和システム(GHS)においては、「物質」(Substance) という用語は次の意味で使用される。自然状態にあるか、または任意の製造過程において得られるオンラインカジノ イベント元素およびその化合物をいう。製品の安定性を保つ上で必要な添加物や用いられる工程に由来する不純物を含むが、当該物質の安定性に影響せず、またその組成を変化させることなく分離することが可能な溶媒は除く(GHS7版 1.3.3.1.2)。
諸説 [ 編集 ]
「matter(物質)」という概念は西洋哲学史において、古代ギリシアで発祥したが、その正体について、20世紀初頭以前の科学者や哲学者、宗教家は論争を繰り返した [4] 。1930年代初頭以降、原子の構造が明らかになり、その性質を説明する量子力学が成立すると、物質の本質を厳密かつ統一的に理解する事が可能になった。これは、20世紀における最大の科学的成果の一つである。
古代ギリシャでは物質は「本質的に不活性なもの」と見なす人がいたが、ビュヒナーやマルクス主義では「運動や活動と一体で切り離せないもの(つまり活性のあるもの)」と見なした
20世紀初頭まで、科学界において原子の存在の有無について論争が続いたために、物質について様々な解釈が共存した。例えば、物質はものの仮の姿にすぎず、エネルギーのみが本質であるとする Energetiker 論者は原子の存在を否定した。1930年代初頭までに電子と陽子、中性子が相次いで実験的に発見されて、量子力学が完成することによって、矛盾の無い、物質の統一的な理解がはじめて可能になった。物質は物理オンラインカジノ イベント的には「原子で構成されるもの」、初等量子力学または第一量子化の範囲では「質量をもつ波」、場の量子論または第二量子化においては「場の励起状態」と理解される。一般に、1/2の
クオークやレプトンそのものは元来、SU(2)L ゲージ対称性を保つ性質を持つために質量を持たないが、ビッグバン後、宇宙が冷却する過程でヒッグス場が自発的対称性の破れにより有限な真空期待値を獲得すると、この量子場との相互作用により質量をもつ物質粒子が出現したと考えられている。一方、ヒッグス場のうち、電荷をもつSU(2)弱アイソスピンゲージ群のz成分は真空期待値をもたないために、光とは相互作用せず、光子は質量を獲得しない。この理論は、2012年のヒッグス粒子の発見により実証された。こうして「場所をとり、質量があるような物質」の背景にある複雑な機構が解明された。宇宙には重力相互作用はするが、直接的な検出が難しい、正体不明の暗黒物質が充満している証拠が得られつつある。また、中性子のみで構成された中性子星や、超高温で出現するクオークグルーオンプラズマなど、新たな物質の形態が存在することがわかってきた。
なお、哲学的に言えば、物質は
現代の日常的な用法 [ 編集 ]
物質は変化、現象、出来事などと区別されることが多い。変化は物質に生じる1つの出来事、現象でありうるが、変化自体は物質ではない。ある現象やある出来事も、そこに物質が関与していることはあるが、それ自体としては物質ではない。物質はそうした現象や出来事が起こる場や対象のような位置を占めている。日本語ではこの区別は、物と事の区別、「モノ」と「コト」の区別として、日常的に用いられている。
この様に、観念的には物質の概念と存在概念と分離することは難しい。この様な観念論は、デカルトの「われ思う、ゆえにわれあり」という観念論より派生しており、「物体を認識することが、すなわち存在である」と概念付けられる為に他ならない。存在と結び付けられた物質は、その性質(物性)以外にも哲学的な属性(記事 存在を参照のこと)が付加される。そして、物質に着目、執着する姿勢は「物質主義」と呼ばれる。また、そのような信念の持ち主は「物質主義者」と呼ばれる。
すなわち物質と対比されることのある概念として、心(精神、意識)、
古代 [ 編集 ]
哲学 [ 編集 ]
ギリシア哲学 [ 編集 ]
ソクラテス以前 [ 編集 ]
次に学術の世界で「フォアゾクラティカーVorsokratiker」と呼ばれているソクラテス以前の哲学者(紀元前6世紀ころ~前4世紀ころ)は、さかんに自然について考察していたわけであるが、現代まで伝わっているのは基本的に、後の哲学者たちが書いた文章の中に含まれる断片的なテキストなので、彼らがどのように考えていたのか正確に知ることは難しい。彼らは深い思想をたたえていたようにも読めるが、伝えられたのが断片的な短い言葉であるがゆえにそういう印象を生んでいるだけなのか判断のつきかねる面もある [5] 。
イオニア人たちは、αρχη
アルケー
を探求したが、このアルケーというのは現代ではぴったり一致する概念があるわけではないが、「原理」とも「起源」とも、知識理論の「公理」とも、物質世界の「(構成)単位」とも言えるようなものであったのかも知れない
[5]
。(アルケーの探求などと関連させて)「イオニア人たちはミュトス(神話)を超えてソピア(知)へと向かった」などと言われる。アルケーは、タレスが水と、
デモクリトスは原子論を、プラトンは有機体論を、アリストテレスは質料形相論を提示した [5] 。これら、紀元前400年から紀元前300年ころにかけて提示された競合的な理論は、この時代にしてすでに、その後の時代の哲学や学問が見せることになるおおまかな輪郭をあらかじめ示しており [5] 、これらの観念群は、その後 物質に関する知識が進展する中で、繰り返し現れてくることになり、大きな影響を与えることになった [5] 。
デモクリトス(B.C 460-367)の原子論については「原子論」の記事に説明を譲ろう。
エンペドクレス [ 編集 ]
エンペドクレスは、紀元前440年ごろに、空気が物質であることを実証した。 オリジナルとは少々異なるが簡単に確認することができる。大きなバケツに水を一杯に入れる。そのバケツに漏斗の細い口を指で塞ぎながら、広い開口部を下に向けてバケツに入れると、漏斗には水が入ってこない。指を漏斗口から外すとそこに水が流れ込み、空気がその口から勢いよくで出てくる。空気が水が空間を占めるのを邪魔していたことから、空気は物質であるというわけである。物質の基本的な属性の一つである、空間を占有する(体積を持つ)という性質を空気が持っていたことを実証したわけである。 [6] これは、物質(Matter)の基本的な古典的定義の一つである「物質は質量をもち、空間を占有するもの」 [7] という後者の属性を実証するものである。
プラトン
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プラトンはイデア論を唱え、永遠不変なのはidea
イデアである、としたのであるが、それに対して物質をどのように見なしたかというと、永遠に現実的なものではない、とした
[5]
。物質的なものは「いつも生成の過程の中にあって、真実にあるものではない」(『
イデアは普遍的、絶対的、永遠的、遍在的、可知的、調和的で完全なものであったのに対して、物質というのは特殊的、相対的、時間的、局所的で、混乱し、不協和で、欠陥のあるものであった [5] 。
こうした見方をしていたにもかかわらずプラトンが原子的な構造についての仮説も述べていた(『ティマイオス』53c-58c)と知ると多くの人は驚く
プラトンの物質観でもうひとつ重要なのは《非在》という概念である。彼はイデアという永遠で完全に理解可能な原型を考えたわけであるが、だとするとその感覚的現れが多様なのは何によるものなのか? という疑問も生じるが、それを解決するために、《非在》がある(『ソピステス』241e)と述べる必要を感じたのであった。(デモクリトス同様に)充満する存在と対立する原理の必要性を感じたのである [5] 。
なお新プラトン主義には「物質の慣性的受動性」という概念があるが、マックス・ヤンマーが「質量」概念の起源を探った時にたどり着いたのはその概念であった [5] 。
その後 [ 編集 ]
世界が物質だけからなるとか、全ての物事は物質的作用として説明できると考える立場を 唯物論などと呼ぶ。唯物論という単語は、マルクス主義のような思想や通俗的な信念を反映したものであり、通俗的な用法が多い。これとは異なり、複数の実体を根本原理とする実体二元論もある。 これ以前に、哲学の分野では、機械論自体が絶対的なものではなく、生気説も知られている。
物質もしくは物質的な対象が非存在であるとか、本質に対置される概念としての現象であるとする考え方もある。代表的な研究者としてバークリーの名を挙げることが許されるが、彼の哲学は主観的観念論の典型 [8] であると看做される。懐疑論や不可知論、生気説も哲学の分野では、現代でも主題になる。
自然科学 [ 編集 ]
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ドルトンは原子説を提唱し、アボガドロは分子説を提唱した。ラボアジェによる質量保存則の確立以来、質量が物質を特徴づける本質的な量と考えられるようになった。物質は置かれた条件により種々の相転移を起こす。特に分子や原子が集まって構成された多くの物質は、固体・液体・気体と呼ばれる3つの相をとる。それ以外にも、ボース=アインシュタイン凝縮、 超流動相、超臨界流体などの特殊な形態をとることもある。
物理学とオンラインカジノ イベント [ 編集 ]
20世紀初頭までは、主に哲学の分野から派生して、物体の力学的運動の法則など根元的な原理の解明を目的とした物理学(Physics)と、中世や産業革命以降、新たな化合物の合成等を主な目的として、より工学的な要素を伴って発展したオンラインカジノ イベント(Chemistry)の境界は割合に明確であった。しかし原子の存在が確認されると、オンラインカジノ イベントの分野において量子力学等の理論を用いて化合物の構造やオンラインカジノ イベント反応を解明しようとするオンラインカジノ イベント物理学や、原子核物理とオンラインカジノ イベントが融合した核オンラインカジノ イベントと呼ばれる分野が出現した。現在では、物理とオンラインカジノ イベントの明確な境界を見出すことは難しく、主に学校教育における伝統的な区分が慣習的に続いている側面もある。
物理変化とオンラインカジノ イベント変化の例 [ 編集 ]
次にオンラインカジノ イベント変化の例を挙げる。
単に複数の物質を混合した場合は物理変化と見なされる。特に粒子同士の混合や懸濁液の調製、またはその逆の分離、は明確に物理変化と見なされる。だが分子レベルの混合の場合にはオンラインカジノ イベント変化を伴う場合もあり、オンラインカジノ イベント変化とも物理変化とも断定しにくい場合もある。
次の例は典型的な物理変化である。古代以前から、これらの変化では材質が変化しないと認識されていたと考えられる。
- 物体の変形、破壊、切断、接合、組み立て
- 目に見える混合 固体粒子と液体、固体粒子同士
次の例は、物の性質の一部が変化するが現在では物理変化と認識されているものである。
物質の分類 [ 編集 ]
われわれの身の回りにある土、水、そして、空気、あらゆるものが物質である。その物質は純物質と混合物に分類できる。純物質とは混合物から単一の成分を分離・精製したものである。混合物は何種類かの物質が混じったものである。自然に存在する物質のほとんどが混合物である。 [9]
物質の種類 [ 編集 ]
物質をオンラインカジノ イベント的概念で分類する場合、オンラインカジノ イベント物質と言い表される。
物質が単一の主たる成分(オンラインカジノ イベント物質)で構成される場合は「純物質」、複数の主成分から構成される場合は「混合物」と呼ばれる。なお、純物質の微量副成分は不純物と呼ばれ、不純物と混合物とは存在比の程度の差であり、その境界は曖昧である。
物質の成分が同一であっても
- 同素体 - 同一元素の単体でオンラインカジノ イベント構造が異なり物理的性質(物性)が異なる物質。
- 異性体 - 分子の内部構造が異なるオンラインカジノ イベント物質。
- 相変態 - 金属など圧力や温度により結晶構造が変化したオンラインカジノ イベント物質。
構成する原子の核種が異なるものを「同位体」と呼ぶ。同位体はオンラインカジノ イベント的性質は同一で物性もほとんど同一である為、同位体はオンラインカジノ イベント物質の違いとしては通常は区別しない。放射線に関する物性など特定の用途に用いる場合はどの同位体であるかを区別する。
物質は通常、巨視的には電荷を帯びていない。オンラインカジノ イベント変化により永続的な電荷をもつ原子・分子を「イオン」と呼ぶ。イオンは正と負とでイオン対を形成し、見かけ上は電荷を帯びていない状態で安定化している(高温化において原子核と分子との結合が乖離した状態が「
物質の基本法則 [ 編集 ]
物質の誕生 [ 編集 ]
物質は、ビッグバンにより始まったエネルギーの形態分化の枝の1つを成している。
ビッグバン仮説によれば、ビッグバンにより始まったエネルギーは、やがて素粒子を生み出し、素粒子が結合して原子となる。宇宙初期には水素やヘリウムといった最も軽い元素が作られたと考えられている。これらの軽元素からなる雲は重力の影響により
物質の消滅 [ 編集 ]
ディラック方程式によれば、物質を構成するあらゆるスピン角運動量1/2 の粒子と対をなす、反粒子が存在する。電子の反粒子を陽電子、陽子の反粒子を反陽子、中性子の反粒子を
反中性子と呼ぶ。反粒子は、粒子とは符号が逆の電荷をもつ。こうした反粒子で構成された原子のことを
脚注 [ 編集 ]
- ^ Richard Moyer, Lucy Daniel et al. McGRAW-HILL Science Macmillan/McGraw-Hill Edition, 2002, ISBN 0-02-280036-0
- ^ ブルーバックス 新しい高校オンラインカジノ イベントの教科書ー現代人のための高校理科―, 佐伯健夫, 2006, 株式会社講談社, ISBN 4062575086
- ^ a b c d 大辞泉
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d e 西洋思想大事典 vol.4、平凡社 1990ハロルド・ジョンソン Harold J. Johnson『物質概念の変遷』 pp.88 - ^
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i j k l m n o p q r s t u v w 西洋思想大事典 vol.4、平凡社 1990ハロルド・ジョンソン Harold J. Johnson『物質概念の変遷』 pp.88-92 - ^ Lee R, Summerlin, Christie L. Borgford, and Julie B. Ealy "Chemical Demonstration", A Sourcebook for Teachers Volume 2, Second Edition, American Chemical Society, 1988
- ^ Sarquis and Sarquis, "Modern Chemistry", Houghton Mifflin Harcourt Publishing Company, 2017
- ^ 岩波書店『広辞苑』
- ^ 竹内 敬人他「改訂 オンラインカジノ イベント基礎」東京書籍. 平成30年. ISBN 978-4-48716547-6
参考文献 [ 編集 ]
- Lillian Hoddeson, Michael Riordan (1997). The Rise of the Standard Model . Cambridge University Press. ISBN 0521578167
- Timothy Paul Smith (2004). “The search for quarks in ordinary matter”. Hidden Worlds. Princeton University Press. p. 1. ISBN 0691057737
- Harald Fritzsch (2005). Elementary Particles: Building blocks of matter . World Scientific. p. 1. ISBN 9812561412
- Bertrand Russell (1992). “The philosophy of matter”. A Critical Exposition of the Philosophy of Leibniz (Reprint of 1937 2nd ed.). Routledge. p. 88. ISBN 041508296X
関連項目
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外部リンク [ 編集 ]
- Matter (英語) - Encyclopedia of Earth「物質」の項目。
- 『物質』 - コトバンク